ミニブログのための感情検索エンジン feelfind
今年の目標は、非言語型サービスをたくさん12個作ることです。
非言語型サービスとは、言語や文化に依存しない、人類共通の普遍的なサービス価値を提供するサービスということです。エジケンのlingrがいい例ですが、日本人が企画してシリコンバレーでアメリカ人が開発したにも関わらず、イラン人の間で流行しています。
まず手始めに、ミニブログのための感情検索エンジンfeelfind.netというのを作ってみました。
feelfind.net search engine for mini blog
ミニブログ、つまり一行ブログの面白いところは、あらゆる感情が一行に集約されていることです。
あるキーワードで検索すると、そのキーワードについて良い、悪い、などという反応の合計が返ってきます。
単語ベースで検索すると、どんなことについてポジティブな見解を持っているか、などということが解るようになっています。
haru.fm,twitter,jaiku,はてなハイク,feecleなどの書き込みを一括で検索できるようになっています。
責任者にとってもっとも重要な能力
僕は責任者です。代取だから。
日本には150万以上の企業が存在し、社長や代表取締役と呼ばれる人たちは少なくとも同数。代表取締役は二人以上いるハズですから、実際にはさらに多くの責任者が存在することになります。
世の中にはこれだけ多くの責任者が居るのですが、そのうちの何人かは僕のとても大切な友人です。
あるとき、そんな友人のうちの一人の、とても良くない噂を耳にしました。
「どうも、アイツの話が信用できない。その場凌ぎの嘘ばかりついて自分の会社のミスを殆ど認めようとしない」
「明らかにアイツがわるいハズなのに、取引先には部下のせいにして逃げる。部下の人選だってアイツの責任なのに」
「社員に対して目に余る言動を繰り返していて、言われた当人だけでなく、社員全員の心が離れている」
これはまずいな、と思いました。
彼は僕にとってとても大切な友人で、彼にはとても感謝しなければならないことが沢山あります。
それで、僕はピンと来たのです。
なぜ彼がそんな状態に陥っているか。
彼はおそらく「謝罪」が下手なのです。
会社を立ち上げたばかりの頃は、自分が自ら現場の先頭に立って仕事をこなしつつ、会社の資金繰りや営業をしなければなりません。
普通のサラリーマンの仕事の三倍以上の仕事を同時にこなさないと、会社は立ち上がりません。
一日8時間労働が普通のサラリーマンだとすれば、その三倍の24時間働かないといけないことになります。もちろんそれは無理なので、20時間くらいでなんとか2.5倍くらい働くことになります。
2.5倍は3倍に足りないので、必ず破綻します。
するとどんどん余裕が無くなってきます。
スケジュールが破綻すると請求書を出し忘れたり、入金の確認を忘れてしまったりして、ある日突然資金がなくなります。儲かっているはずなのにお金がなくなるのです。
こうなるともう大変です。
必死で立て直さなくてはなりません。
会社が出来たばかりの頃は銀行もお金を貸してくれません。だいたい三年くらいは貸してくれませんし、三年以上経っても経営状態が悪ければ貸してくれません。
それに、社長の仕事にはマニュアルもなければ上司も居ません。
千尋の谷に突き落とされた状態から自分で崖を登らない限り、社長として一人前になることはできません。
ふつう、絶対に失敗します。
お客様や支援者や株主の方に迷惑をかけることになります。
そうすると創業時の社長の仕事はなんになるのか。
絶対に失敗するはずなので、絶対にやらなければならないこと、それは謝罪です。
世の中のサラリーマンで謝罪の仕方について教育を受けている人は希です。
起業するのはたいていの場合、優秀なサラリーマンですから、そもそも誰かに謝るような状況を経験していることも希ですし、サラリーマンの場合、他人のせいにして言い訳するのも処世術のひとつとすら見なされている場合があります。だから自然にそういうクセがついて、正しい謝罪の仕方を知らないことが多いのです。
さて、謝罪の方法を説明せよと言われたとき、謝罪の方法について説明出来る人は少ないと思います。
「頭をさげてとにかくあやまるだけじゃダメなの?」
と思うかも知れません。
ダメです。
そういう人のためにとても良い本があります。
「一分間謝罪法」という本です。
謝罪とは、ロジックです。
謝罪法とは思考法です。
謝罪するような状況はふつうの人にとっては滅多にない状況なので謝罪の仕方が解らないんだと思います。しかし、謝罪法はビジネスのみならず恋愛関係、友人関係など、全てに通用します。
そもそもなぜ謝罪を必要とするのでしょうか。
なぜ相手は怒ったり、悲しんだりしているのでしょうか。
その裏側には、必ず貴方への信頼があります。信頼を裏切られたことに対して落胆したり、怒りを感じたりしているのです。
・ミスを犯す
↓
・怒っている/困っている
↓
・ひたすら謝る
という単純な図式しか考えないと、謝る台詞にも説得力がありません。
本当はこうなのです。
・貴方を信頼している
↓
・ミスを犯す/信頼を裏切る
↓
・怒っている/困っている
↓
・謝罪する
ふつうの人は、たいてい、人生で誰かを怒った経験があると思います。
そのときに、相手がひたすら頭を下げてきたらどう思いますか?
ささやかな征服感は満たされるものの、それだけです。
赦してあげる気分になるでしょうか。
相手はひたすら「ごめんなさい」「すみません」「もうしません」を繰り返して反省をアピールしますが、同じミスを二度も三度もしたらどうでしょうか。
「この人は頭を下げるだけでなにも反省していない。もうダメだ」と思って二度とその謝罪の言葉を信用できなくなります。
これでは結局、長期的には関係を壊してしまうのです。
ビジネスの場合、これは致命的です。
謝罪を成功させるためには、相手の主張をいちど全て受け止め、それから原因と問題点を客観的に明確化し、対策を明示する必要があります。
少なくともその人と長期的に良好な関係を構築したければ、そうするしかありません。
「あいつがモタモタしてたから遅れてるんです」
なんていう言い訳をしても、まるで無意味どころか逆効果であることは火を見るより明らかです。
しかし人は弱い。どうすればいいか解らないから、勘だけで最も簡単な方法、最も自分の心が傷つかない方法、すなわち第三者に責任転嫁することを選択してしまうのです。
責任者である社長は、絶対に責任転嫁をしてはいけません。
とすれば、相手が怒っているような状態、相手を困らせてしまったような状態では、まずこう考えることです。
「先方は僕を愛して、信頼してくれていた。その愛情を僕は裏切ってしまった。自分が愛している人が同じことをしたら僕はどう思うだろうか。たとえ先方に原因の一端があったとしても、それを正しく指摘できなかったのは僕の責任だ。だとすれば、二度と同じことが起きないように、やり方を変えるしかない」
失敗というのは不可避なものなので、その前提で「僕の考えが未熟でした。これに対策するために、今度からこういうかたちのお仕事の進め方にさせてください」とお願いするのです。
こうして謝った場合、赦してくださらなかった方はいらっしゃいませんでした。
なぜなら、ビジネスの場合、契約関係が成立している時点で、一度はお互いを信頼しているはずなのです。
その信頼が揺らいだことに先方は動揺しているだけで、失敗が起きたことに対する対策には必ず答えがあります。
ミスは犯すが、同じミスは二度と犯さない、ということを相手に信頼してもらうしかないのです。
どうしてもダメな場合であっても、お互いに良好な関係で別れることが出来るはずで、チャンスがあればまた契約をしてもらえるはずです。
僕は失敗を犯してしまう前よりも、失敗を犯して謝罪をした後のほうが、むしろ先方から信頼されている気さえします。
ビジネスとは真っ暗闇の階段を降りていくようなものです。
そこに目的地があると信じて、周到に計画を立て、知恵と勇気を振り絞り、暗闇に一歩一歩踏み出していくのです。
取引先とはビジネスの回廊をともに歩むパートナーであり、目的を共有し、互いに励まし合いながら先の見えない恐怖と戦うのです。
この局面においては、お互いの信頼ほど重要な要素はありません。
そういうわけで、その友人には一分間謝罪法をプレゼントすることにしました。