三島由紀夫が切腹したように、朝日新聞を燃やせ!
桜坂さんからいただいた月刊新潮10月号の「キャラクターズ」をこの週末を利用してやっと読了しました。
当代一の頭脳の批評家と名高い東浩紀さんと、ベッドシーンの描けないさわやかライトノベル作家である桜坂洋さんの共著による、"キャラクター小説"です。
本作の中で文学と論壇を揶揄し、"キャラクター化"された東さんと桜坂さんが次元を超えたドタバタを繰り広げます。
「自らの変態性癖を吐露するような私小説だけが文学として評価される」ような言論界を批判し、三島由紀夫的な過激な行動でもって世界に決着をつけようとする、本作でその象徴として「朝日新聞を燃やせ」というテーマが出てきます。
ラゾーナで便意を催したのになかなかトイレがあかず悶絶するシーンも爆笑ものですが、愛車ゴルフカブリオレにガソリンを満載し、築地の朝日新聞本社に突撃する東さんのクライマックスシーンの迫力は圧巻。いつも前を通っているだけに情景がありありと浮かんできます。
そしてあっけないほど爽やかなラストシーン。ラストの台詞にも思わずクスリと笑ってしまいます。
お二人とは週刊アスキーの連載を通じて一年半くらいのおつきあいがあるのですが、それにしても面白い作品を書いてくれたものです。
ギートステイト本編にも期待大ですが、この作品もかなり読み応えがあります。
はやく単行本が出ますように