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面接官からみた、面接で好印象を得るための5つのポイント


ひさしぶりにゆっくりと日本のニュースサイトなどを見ていたら、ふと面接の記事が目にとまりました。




面接。




正直言って、僕は面接された経験はあまりありません。

もうなし崩しに社会人になって、そのまま突っ走ってる。

インターネットの時代に面接して会社に入る人というのは、実は少ないのかも知れないのです。




ブログとか、まあ当時は「ホームページ」なんて呼んでましたけど、自分の情報がネットに全て書いてあると、向こうから話がやってくる。そういうときに顔を見てみて「あんたの顔じゃダメだ」なんて言われません。向こうとしては、とにかく仕事がやれそうならそれでいいわけです。




僕が若い頃はそういう時代でしたが、いざ社会人になってしばらくすると、逆に面接をする機会というのが増えました。言うまでもなく、面接官としてです。




結局のところ、僕は今でも面接をしています。

去年だけで50人くらいは面接しているかもしれません。




いままでに面接した人は、その十倍くらいは居るでしょう。いや、それは大袈裟か・・・。




DEAの学生達に講義をしていても、みんな面接について聞きたがります。僕の授業と直接関係ないんですけど、まあ本人達のためになればと思って面接のポイントについて話をしたりするのです。




僕が面接で見るポイントは5つ。



  1. 服装
  2. 常識
  3. 品格
  4. 知性





上から順番に大事です。




まず、顔。

良く言っているのですが、優秀な人は顔をみれば解ります。

男は40を超えたら自分の顔に責任をもたなければならない、なんて言った人がいますが、20でも顔を見れば能力のだいたいのことは想像できます。性格も。顔なんかそうそう簡単に変えることはできないので、普段から気をつける必要があります。就職活動を一年間やるなら、一年間毎日鏡で笑顔の練習をしたらいいと思います。それくらい大切です。




優れた企業に行くと、だいたいみんな、美男子でも美女でもないけど、愛嬌のあるいい顔をしています。それは気力、体力ともに充実しているからです。景気の悪い顔の人ばかりの会社は、景気の悪い会社です。別に美形である必要はなく、愛される顔であればいいのです。まあここは深く考えても仕方がないので、飛ばします。




次に服装。

といっても、面接に着ていくのはまあスーツなわけですよ。

面接用のスーツを買うとき、どれでも一緒だと思っていそうな人が多いのですが、ぜんぜん違います。

というか、どれでも一緒に見えるからこそ、センスが問われる領域なのです。




慌てて量販店で買ってきたような、ペラペラのリクルートスーツを着てくると、極めて大雑把な人だと思われてしまうでしょう。スーツなんか着慣れていないのが一目瞭然です。新卒は仕方ないにしても、中途採用でスーツのセンスが悪いのは致命的だと思います。




まずきちんとサイズが合っていること。

それなりに良い素材でできていること。

カバンや靴、ベルトとコーディネートされていること。

特に靴とベルトの色を合わせるという常識がないと、いろいろ疑われても仕方ありません。

スーツの色は何色でもいいですが、あまり衝撃的な色はやめた方が良いでしょう。人の肌の色は実は個人差があります。シャツの色やスーツの色は微妙に肌によって色をあわせるべきです。

服くらいで希望の会社に就職できるものなら安いものです。ここはケチらずにバイトしてでもきちんとした格好をしましょう。




とはいえ、やたら凝ったデザインのブランドスーツを着てくると、それはそれで社会常識が疑われます。常識ってもう定義不能ですけど、だからこそ難しい。




なぜ人は"常識"を求めるのか。

これは本質的には"美男・美女"を求めるのと同じです。




美男・美女の顔を分析すると、実は各パーツの大きさや配置のバランスが平均値に近ければ近いほどそう認識されるのだそうです。




脳の記憶構造を想像すると、以下のような仮説が生まれます。




1)顔の美醜を判断するのは、遺伝子の異常がないかどうかを確かめるため

2)DNAには"正常なデータ"もチェックサムもないため、そもそもなにが正常か求めるのは難しい。

3)従って、生まれてから育つまでの間に見た人間の顔をとにかく脳内で平均化していく

4)平均に最も近い顔が最も正常なDNAを持っていると類推することができる

5)従って、美男・美女が最も正常なDNAを持っていると推察される




これは、「毎日顔をあわせているだけで好意が沸いてくる」という心理学的な効果の説明でもあります。




あくまでも「正しいDNAデータは入力地を平均化することでしか得られない」のだとすれば、自分の顔の入力回数を増やせば増やすほど、脳内の平均モデルは自分の顔に近づくハズです。




常識というのも一緒です。

常識というのは人によって大きく異なります。

だから、顔の美醜を常識に置き換えると以下のようになります。




1)常識を判断するのは、社会生活の異常がないかどうかを確かめるため

2)常識には"厳密な定義"がないため、そもそもなにが正常か求めるのは難しい。

3)従って、生まれてから育つまでの間に出会った人間の行動様式をとにかく脳内で平均化していく

4)平均に最も近い行動様式が最も常識的な態度であると類推することができる




自分の顔を相手によく見せたければ、何度も相手の前に現れて顔の記憶を上書きしていけば、平均値がそちらに近づいて来ます。もしくは鏡の前で練習したり、化粧を工夫したりすれば、あるいは平均的な顔や表情に近づけることはできます。




しかし常識というものばかりは、そう簡単に手に入れることはできません。

相手と数分間話しをしただけで、新しい常識(行動様式)を相手にインプットするのはまず不可能と考えるべきでしょう。




では自分が相手の常識を身につけるしかありません。




相手の会社の業界の成り立ちや歴史について徹底的に勉強することです。

特に成功した人たちの電気や歴史を調べておくことが肝心です。

いろいろ面接しましたが、そこまで調べている人は希。けれども歴史を知ることは、相手の会社のWebページを通り一遍みるよりも何倍も効果があります。会社の従業員数や売上高などの公知情報を丸暗記してきたってムダ。自社の売上なんか常識ですらありません。重要なのはメンタリティ。その会社がなにを考え、なにを使命としてこれから事業を展開しようとしているのか、そういうことです。




たとえば大手メーカーなら、創業者の伝記やその会社の成り立ちについて解説した本が幾らでも出ています。できる限りそういうものを読破し、その業界の常識に自分を近づけること。OB訪問もそういう意味で活用すると良いでしょう。そこまで大きな会社でない場合は、その業界に関して書かれた本をなるべく沢山読むことです。




そして品格。

品の良さというのは付け焼き刃で手にすることはできません。

ものの答え方、考え方、物腰、態度。よほど巧妙にやっても見破られてしまいます。




最後に知性。

知性は面接で見破るのは非常に難しいのですが、よほど低いとすぐに見破ることができます。




どうやって知性について面接でテストするのかというと、僕は「Whyセット」という方法をよく使います。




受験者が喋ったある事柄について、ひたすら「Why?」を連発するのです。




 「モバイル業界を志望した理由は何ですか?」




 「将来性があり、これから有望だと思ったからです」




 「なぜ将来性があると思うのですか?」




 「モバイル市場は毎年拡大しており、今後もそれが続くのではないかと思っています」




 「なぜそう思うのですか?」




 「ええと・・・みんなが使っているし、僕・・私も毎日使っていますから」




 「では電気はどうですか?電車も、テレビも、自動車も、毎日使っているのではないですか?そのなかでなぜ携帯電話だけが拡大していると思うのですか?」




 「ええと・・・それは、新しいからです。新しくて、みんなが使っているから」




 「では、このあと携帯電話以外にもっと新しく、もっと普及するものが登場してきたらどうしますか?あなたは就職して5年もしないうちに時代遅れになってしまうかもしれません。それでもこの業界で働きたい理由はなぜですか?」




上記の例は、落選する場合の典型的なやりとりです。

「Why」という質問に対して、どういう回答をするかで、相手のおおよその知性が計れます。

面接に際して、充分な下準備や事前学習を積んできたか、その世界でやっていく覚悟があるか、なにより自分の行動を常に反省する知性態度があるか、ということがこのWhyセットで解ります。




合格するやりとりも書いておかないとフェアでないかもしれません。

賢い受験者はこんな風に答えます。




 「モバイル業界を志望した理由は何ですか?」




 「将来性があり、これから有望だと思ったからです」




 「なぜ将来性があると思うのですか?」




 「国内モバイル市場はコンテンツとコマースあわせて1兆円規模に達し、世界的にもそうした潮流が伝搬しようとしています」




 「なぜそう思うのですか?」




 「ニュースや資料を調べると、そのように書いてありました。私もそうだと思っています」




 「でもニュース記事であっても、常に本当のことが書いてあるとは限らない。広告主に遠慮して、おかしな誇張が入ったニュースも沢山報道されています。それが本当のことだとなぜ思うのですか?」




 「・・・難しい質問です。けれども、モバイル専門の企業だけを見ても、この10年で3社が一部上場を果たしています。店頭公開も含めればもっと多くの会社が上場しています。これは証券会社の資料で見たので、広告主の利害関係の影響下にない事実だと思います」




 「しかしたった10年の間にそれだけの会社が上場するというのは、むしろ異常なことではないですか?バブルかもしれない。それでもなぜ敢えてモバイル業界で働こうと思うのですか」




 「・・・バブルである可能性はあると思います。しかし、土地のバブルと違い、モバイル業界は現実に人々に新しい価値を創造し、提供することに成功しています。コミュニケーションの道具として、もはやケータイなしの生活は考えられません。次の時代になにが主流となるかわかりませんが、今現在はモバイルが最先端にあり、最先端の分野に身を置いて勉強したいのです」






過去、ディティールは異なりますが、実際にこのように受け答えをした受験者が居ました。

もちろんその場で合格です。




事前にデータを調べ、自分なりに咀嚼し、独自の視点でものを見れることを面接で証明したのです。




大学のレポートをマジメに書ける人なら、この程度の受け答えは当たり前のようにできるハズです。




それができないということは、口ではどんなに良いことを言っていても、結局、マジメに仕事をする気がないんだろうということになります。




面接に王道はありません。結局、自分という人間をどこまでその会社の文化にあわせることができそうか、ということが問われます。




逆に面接でそういうことを聞かれずに受けたら採用、みたいな採り方をする会社は、人が入りたくない理由があるのです。




最も不幸なのは、自分の実力にもあわず、性格にもあわない会社に間違って入社してしまうことです。




会社にとっても本人にとってもとても不幸なことになります。

どんな仕事にも適性というものがありますから、その産業の歴史や資料を調べてみて、「とてもついて行けない」と思ったら早めに見切りをつけるのも大事なことだと思います。


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