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IVS 二日目終了! 凄い連中はマジで本当にズバリまるっと本気で凄かった


teamLabの猪子さんと、takramの田川さんという、二大クリエイティブ社長に囲まれて、なぜか最もクリエイティビティに遠い金の亡者である僕が「クリエイティブ・ベンチャー」について語るという正体不明のパネルディスカッションがやっと終わりました。




正直、パネルディスカッションになってなかった。




全員が自分の会社を紹介したら時間いっぱいなんだもの。




というかね、人生であんなにアウェイ感を感じたパネルはちょっとなかったです。




だってさ。takram



って、良く知らなかったけど、なんだか凄いクオリティ高いデザイン会社っすよ。


もうスライドとか同じKeynoteでも雲泥の差。おかしい。絶対。なにかがおかしい。

もう僕はこういう人と対等の文脈で語る語彙を持ってない。ダメ。絶対。


で、比較的近いかと思われたteamLab



の猪子さん。もうね、ぜんぜん近くない。というかむしろ対極。同じ本郷の会社でありながら一度も会ったことが無かったのですが、もう本当に対極。というか凄すぎる。


田中泰生も凄いけど、猪子さんの凄さは時空を超えてます。というか野武士。もう野武士と語る文脈なんか持ってない。野武士っていう表現が失礼だったら、武将とか頭目。もうそういうレベル。


そのくせ作ってるモノは死ぬほどかっこいい。au design projectのアレには僕も電話業界の人間としていろいろと度肝を抜かれたのですが、そういうものを自分のクリエイティビティで作ってないと言うんですよ。あくまでチームで作ってるから全く知らない、みたいな。


 「嘘でしょ」


と思いましたよ。なんか、もうどこまで本当なのかわかんない人なんで。

でも話を良く聞いてみると、本当にチームで作ってるらしいのです。


でもね、これ見てくださいよ。



こんなのチームで出てくるわけないって思いませんか?

でもチームラボでは、これをチームでやってるそうです。しかもミーティングの度にPMが変わるのだそうです。凄いですよね。


どのようにやっているかというと、たとえばチームのデザイナーが5人だとすると、5人のデザイナーがそれぞれ同じテーマで別のイメージを作ります。


それを見て、PMが「こっちの方向性」とどれかひとつを選ぶと、5人のデザイナーはそのひとつをベースにまたそれぞれ別のバリエーションを作ります。でてきたものに対して「これでOK」と思うまで、繰り返しこのプロセスを行うのです。


これって完全にGA(遺伝的アルゴリズム)の手法ですよね。


猪子さんが「ふつうの人たちがたくさん集まって、クリエイティブなチームを作る方法を考え出すっていうことに凄く興味がある」と仰っていた意味がようやく解りました。


確かにそれは凄い、と思うんですよね。

ただし、猪子さん曰く、「このやりかたではゲームはつくれそうにない」そうです。UIとかアートとか、とにかく目に見えるものだけで全てが決定されるものがいいらしいです。


これは凄いなと思いましたね。

僕も早速この手法を取り入れて製品開発に活かしたいと思いました。


パネルディスカッションが終わった後、ロビーで明日の週アス10周年祭りのためにいろいろプログラムを書いていたら、中嶋さん、猪子さん、田川さんがなんとなく集まって来て、キューの内海さんも加わって再び「クリエイティビティとはどうやって発揮するか」という議論に花が咲きました。正直言って、本番のパネルディスカッションよりこっちのほうがよっぽど面白かった。時間の制約がないっていうことと、発言の制約がないっていうことが、実はディスカッションが活発化するポイントなのかもしれません。


いや、ほんと、凄い体験をしました。


当日の様子はあきば電脳ライフ 前田の電脳ライフを参照のこと


Infinity Ventures Summit 2007 Fall 雑感


「本当にそれは面白いの?」と半信半疑で参加した今回のIVS。

来てみたら、本当に面白かった。




当日の模様は実験サービス「あきば電脳ライフ」でライフブログ化されています。

shi3zの電脳ライフ

前田潜水艦の電脳ライフ




※あきば電脳ライフは、Twitter+Tumblr的なサービスで、Twitterクライアントとして使うことも可能です。




僕はとにかく人の話をじっと聞いているのが苦手なわけですが、そんな僕でも楽しめました。

宮崎シーガイアはひたすらに通信環境が悪いけど、五反田社長の@Freedが最後の活躍をしたり、スピーチ中に矢も縦もたまらなくなった無線難民達がロビーに集結したりといろいろでした。




一日目で特に面白かったのは、はてな、ライブドア、サイバーエージェントの各担当者(サイバーエージェントは藤田社長が登壇)が語る、「CGMはこれからどうなるか」という話で、アメーバブログが17億の赤字を出しているけど頑張るという話の横ではてなが「うちの回線費は5万円。サーバは秋葉原で中古パーツ組み合わせて12万円」という話をしたりというあたり。はてな凄すぎ。UEIやドワンゴも初期はマジで同じような感じで中古パーツ組み合わせたり、そもそもパーツ組み立て担当みたいな役職があったりしたけど、規模が大きくなるとそうも言ってられないので結局完成品をメーカーから買うんだけど、まだアキバでパーツ集めてるとしたら、立派としか思えません。




なんか気がつくと、うちも結局お客様に対するリスクを考えたりして、購入するサーバも昔は10万円のPCサーバだったのが、今は1台30〜90万円のラックマウントサーバで、もちろんメーカーの完全保障付きで、少しでも故障したら交換部品もったサービスマンが飛んでくるような、そういうものを使うようになりました。小さい会社だと、こういう地味なコストが効いてくるわけです。




はてなは普通の会社の1/3〜1/10のコストでサーバを調達しているわけで、維持も大変だと思いますが、コストダウンへの拘りは想像以上に凄いと思いました。




もうひとつ凄いと思ったのは、コストを掛けないうえに世界中どこにいてもサービスを提供できるため、アメリカに開発拠点を移したという話。先日シリコンバレーに行ったときは、「近藤さんもシリコンバレーに来たはいいけどどうするんだろうねえ」みたいな話をしていたのですが、そんな贅沢は、そもそもはてな的なビジネスモデルでないと成立しないということが二度凄い。




アメーバがなぜ儲かってないかというと、社長曰く「ページビューを稼いでいるのは主に芸能人」とのこと。そうすると、たぶん機材への投資や開発への投資だけでなく、そういう人たちにお金を払って記事を書いて貰うこと自体がけっこう大変なのかも知れません。




良くある話で、「ニコニコ動画はまだ赤字」とか「アメーバブログはまだ赤字」とかというのは、実は単純に提供しているサービスと有料会員とか広告費とかの収入のバランスを比較すればとうに黒字になっている場合が多いと思います。それでも事業全体として赤字になるのは、ニコニコにしろアメーバにしろ、「この事業は成長の可能性がある!」と経営者が判断して新機能や新展開を考えるために大量のリソースを投入するため。ようするにそういう人たちの社内人件費であって、もっと手を抜こうと思えばすぐに黒字化するようなものだと思います。




以前、藤田社長は自身のブログでアメーバブログの開発者を20人増員していましたが、20人のプログラマって、はてな全体とほぼ同規模ですよ。そんなのをホイホイ増員していたら、収入がいくらあっても足りないでしょう。




次に面白かったセッションは、Ustream.tvと56.comのプレゼン。テーマはライブストリーミング。




なにしろUstream.tvに関しては僕もヘビーユーザですからね。熱心に聞きました。




でも話の内容としては56.comの方が面白かった。

56.comは中国最大の動画共有サービスで、Ustream.tvとYoutube.comを足したようなサービスです。




この話のなにが面白いかというと、「そももそ中国の国営放送はつまらない番組ばかりだから、ネットに面白い動画を求める人たちが集まった」という話と「そもそも中国は違法コピーが蔓延しているから、DVDとかの収入はもともと全く期待できず、既得権を持っている人が存在しなかった」という、まさに共産主義国なお話。




凄いな。じゃあ日本向けにサービスやれば最強ですね。文字通り治外法権だし。




しかも56.comのユニークなところは、ユーザが創ったコンテンツに対してキックバックがあること。




つまり面白いコンテンツを創ってそれに人気があつまり、広告収入が得られると、その一部がキックバックされるのです。Google Adsense的な方向性ですね。




さらにカジュアルな方向性として人気があるのは、女の子がカラオケを歌う映像配信。

「それ、なにが面白いの?」と僕も数年前に聞いたときは思いましたが、Ustream.tvでshi3z-showをなんどかやって納得。なんだかわからないけど、全く同じことでもライブだと嬉しいんですよね。とくに可愛い女の子のは。




そういう可愛い女の子に対しては、直接ポイントを送ることもできるそうで、まあ一種のおひねりですな。これがもう凄い金額が動いているとか。1億円稼いだ人もいるとかで、もうこうなると別のサービスですよ。




とにかく世界の動画サービスのおいしいとこどりをしたような56.com。その特異性も含めて、今後も大注目のメディアです。




今日、二日目は僕はLaunch Padの審査員と、午後からは「Creative Ventures 創造型企業の挑戦」という演題でパネルディスカッションに参加します。




会場の模様は引き続き前田潜水艦の電脳ライフshi3zの電脳ライフからお楽しみ下さい。RSSも登録できます。


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